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若手研究支援プログラム(J-PEAKS)

トランスポゾン由来抗抑制因子を基盤とした新規エピゲノム編集技術の開発

越阪部 晃永
  • 研究責任者

    越阪部 晃永 テニュアトラック准教授 / Akihisa OSAKABE

  • 所属

    千葉大学 国際高等研究基幹/大学院理学研究院

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動植物ゲノムには、可動性DNA (トランスポゾン) を主とする反復配列が大量に含まれています。これらのトランスポゾンの発現は、遺伝子機能の拡張を通じてゲノム進化を促すという正の側面を持つ一方で、ゲノムの安定性に対する潜在的な脅威ともなります。そのため、宿主ゲノムはトランスポゾンの発現を抑制するために、DNAメチル化やヒストン修飾などの抑制的なエピゲノム修飾を導入し、これらを異なるクロマチンドメインとして厳密に制御しています。しかし、トランスポゾンの発見から70年以上が経過した現在においても、その発現制御の全容や、トランスポゾンが宿主のゲノム・エピゲノムに与える影響については未解明な点が数多く残されています。

本研究では、トランスポゾンが独自の分子機構を獲得し、種内で増殖してきた戦略に着目します。具体的には、シロイヌナズナを中心としたモデル植物等を用いた分子遺伝学やゲノム生物学的解析に加え、試験管内再構成系による生化学的手法を駆使して研究を展開します。これにより、トランスポゾンがコードする因子が、どのようにして宿主の抑制機構を回避しながら、自らの複製と拡散を非破壊的に実現してきたのか、その分子基盤と進化的保存性を明らかにすることを目指します。 本研究は、トランスポゾンと宿主ゲノムの間で繰り広げられているエピゲノムを介した攻防の理解を深めるとともに、将来的なゲノム・エピゲノムの編集技術への新たな応用可能性を拓くことが期待されます。

トランスポゾン由来抗抑制因子を基盤とした新規エピゲノム編集技術の開発
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