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社会価値創造研究支援プログラム

認知行動療法を活用したデジタルヘルスケア技術の開発と有効性検証

清水 栄司
  • 研究責任者

    清水 栄司 教授 / Eiji SHIMIZU

  • 所属

    千葉大学 大学院医学研究院 / 子どものこころの発達教育研究センター

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日本は長寿などの体の健康に関しては世界トップですが、心の健康に関しては低迷しているため、心の健康の向上が強く求められています。心の健康の向上には、うつ・不安の治療法として代表的な薬物療法に勝るとも劣らない効果を持つ心理療法、「認知行動療法」を必要な人全員が受けることができるようにすることが重要です。そのため、認知行動療法をコンピュータ・アプリとして提供するデジタルセラピューティックスの研究が世界中で進められています。

本研究の目的は、睡眠、うつ・不安、疼痛、摂食、発達等の幅広い心身の問題に対処する認知行動療法を活用したデジタルヘルスケア技術を開発し、その効果を明らかにして、社会の皆さんに使ってもらうことです。

不眠症の認知行動療法アプリは、スマホのAIアバターが利用者に4週間程度日記形式で眠れない不安についての考え方や行動のパターンを入力してもらうように話しかける医療機器プログラムです。利用者が入力したデータをもとに悪いパターンを良い習慣に変えるよう指導して、不眠を改善します。またウエアラブルな脳波計、加速度計、表情認知、音声言語処理等のセンシング・デバイスと組み合わせ、アプリの性能がどんどん良いものにアップデートされていきます。アプリだけで症状が改善しない利用者には、専門家がビデオ会議でオンライン認知行動療法を提供するシステムも開発します。

不眠症だけでなく、パニック症、社交不安症、強迫症、うつ病、自閉スペクトラム症、過食症、肥満症、慢性疼痛などの様々な心と体の病気を対象とした認知行動療法アプリも開発し、その効果を調べて実用化します。

また、人前での緊張がつらくて、学校や会社に行けなくなってしまう社交不安症(対人恐怖症)の治療用の視線トレーニング装置も開発しています。現実世界の人物とアイコンタクトができた時にポジティブにほめてくれる装置の開発により、自閉スペクトラム症の人も相手の目を見て楽しくコミュニケーションができるようになる社会を目指します。

認知行動療法を活用したデジタルヘルスケア技術の開発と有効性検証
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