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社会価値創造研究支援プログラム

膜タンパク質を標的としたアカデミア創薬を加速する革新的基盤技術の確立

村田 武士
  • 研究責任者

    村田 武士 教授 / Takeshi MURATA

  • 所属

    千葉大学 大学院理学研究院

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    ORCID ID

我々が研究している膜タンパク質とは、細胞の膜の中にあり、細胞内外の物質の輸送や排出、細胞間での情報伝達やエネルギー合成など、多くの機能を担っているタンパク質です。多くの膜タンパク質は生命活動に重要な役割を果たしているため、現在流通している医薬品の60%以上は膜タンパク質に作用し効果を示すことが知られています。しかし、膜タンパク質の多くは安定性(耐熱性)が低く精製することが難しいため、創薬研究のボトルネックになっていました。

我々は、こうした課題を解消すべく長年にわたり膜タンパク質に焦点を当てた基礎研究を推進し、膜タンパク質研究を加速するための5つの独自技術(以下に示すKey 1-5)を開発しました。そして2021年10月に、この技術を基盤とした「膜タンパク質研究センター」を設立しました。

  • Key 1:独自理論計算を用いた膜タンパク質の耐熱化変異体作製技術
  • Key 2:膜タンパク質の迅速精製技術
  • Key 3:薬剤のタネとなる化合物の探索技術
  • Key 4:抗体医薬につながる機能性抗体の作製技術
  • Key 5:膜タンパク質の立体構造決定技術

本研究では、研究センター内で「膜タンパク質を標的としたアカデミア創薬」を展開・加速することを目的に、上記の技術を高度化するとともに以下の4つの新規基盤技術を開発します。

  • Key 6:独自理論計算を用いた薬剤設計技術
  • Key 7:独自理論計算を用いた組換え抗体医薬作製技術
  • Key 8:細胞薬効評価技術(EITセンサを用いた革新的細胞センシング技術)
  • Key 9:動物薬効評価技術(量子センサを用いた高感度非侵襲イメージング技術)

上記の革新的基盤技術(Key 1-9)を通じて多くの医薬品候補を創出し、成果を広く社会に還元するための産学官連携プラットフォームを千葉大学内に構築します(図1)。

膜タンパク質を標的としたアカデミア創薬を加速する革新的基盤技術の確立
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村田 武士 教授の 記事 / ニュースリリース