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学際的先端研究支援プログラム

大規模革新的シミュレーションによる宇宙天体形成史の統一的解明

石山 智明
  • 研究責任者

    石山 智明 准教授 / Tomoaki ISHIYAMA

  • 所属

    千葉大学 情報戦略機構

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2021年末にアメリカ航空宇宙局(NASA)により打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や、2023年に日本のすばる望遠鏡に搭載される予定の超広視野分光観測器PFSによって、宇宙最初の星や銀河、そしてそれらの銀河系内での痕跡の観測が飛躍的に進むと期待されています。過去20年にわたり、宇宙論的な枠組みの中でこうした天体の形成や進化過程が理論的に研究されてきましたが、こうした天体がこれまで観測された直接的な証拠はなく、その全貌は未だ謎に包まれています。宇宙最初の星や銀河はどこでどのように生まれ、どのように現在の銀河へと進化し、宇宙全体の進化にどのような役割を担ってきたのでしょうか?

本研究では「富岳」などのスーパーコンピュータを用いて大規模革新的シミュレーションを行い、謎に包まれた天体の形成・進化史を統一的に解明します。階層が異なる大規模シミュレーション群を、機械学習や高性能ビッグデータ処理などの先進的技術を用いて結びつける本研究の技術により、近未来の大規模天体観測に匹敵する空間体積における銀河など天体の形成を、最小構成要素である宇宙最初の星やそれが重力崩壊してできるブラックホールの段階から世界で初めて追うことが可能となります。

質的・量的ともに既存のものを大きく凌駕する天体模擬カタログを構築し、全世界に公開、そして長期にわたって広く用いられる標準的な理論テンプレートとして展開させることが本研究の目標です。最終的には、カタログと大規模観測との直接的な精密比較を行い、宇宙最初の星や銀河はどこでどのように生まれ、どのように現在の銀河へと進化し、宇宙全体の進化にどのような役割を担ってきたのかを明らかにし、宇宙140億年にわたる天体の形成・進化史を統一的に解明します。

大規模革新的シミュレーションによる宇宙天体形成史の統一的解明
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石山 智明 准教授の 記事 / ニュースリリース