心不全における正確な骨格筋・体組成評価システムの構築
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- 研究責任者
佐野 元洋 助教 / Motohiro SANO
- 所属
千葉大学 大学院看護学研究院
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- 研究責任者
本研究の目標は、これまで評価の適用や正確性が限られていた心不全患者の骨格筋・体組成を正確に定量評価するシステムを構築し、医療資源の限られる在宅療養の場において最終的に活用することを目指します。心不全患者の骨格筋の量と質の異常は、予後悪化因子として明らかにされており、早期発見介入することで改善の見込める可逆的なものであるため、骨格筋異常の正確な評価は、再入院回避や生活の質(Quality of Life、以下QOL)の向上、予後の改善に寄与することが期待できます。また現在推奨される定量的な評価方法は、高額であることや実施可能な施設が限られること、心不全に特徴的な浮腫によって測定値に影響が出る場合があり、特に在宅療養の場においては定量評価が困難です。当研究グループの主要構成員である工学研究院の研究者らが開発した電気インピーダンス・トモグラフィー(EIT)法を活用した四肢の評価(Ogawa et al., 2022)は、従来のレントゲンやCTなどと比べて、安価で簡易かつ非侵襲的に可視化測定することができる技術であり、従来課題であった施設が限られること、浮腫による測定値への影響およびペースメーカー埋め込み患者には使用できないといった様々な課題を解決することができる可能性があります。また心不全増悪の早期発見早期介入には、多職種連携を基盤とした包括的で患者中心の支援が不可欠であり、各専門職の特性を理解、共有することが重要です。
測定機器の開発、測定方法、測定内容の解釈、その後の対応など本研究の全ての過程において、看護学、医学、リハビリテーション学、工学の各視点を融合することで新たな技術的知見の発掘および開発となり、在宅における心不全増悪の早期発見早期介入だけでなく、非侵襲的で簡便な骨格筋評価方法の確立につながり、持続可能な保健医療福祉サービスの提供や当該分野の研究を加速する意義のあることと考えます。