疾患治療標的としての腸管間葉系細胞の機能的変遷と相互作用の解明
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- 研究責任者
倉島 洋介 准教授 / Yosuke KURASHIMA
- 所属
千葉大学 国際高等研究基幹 / 大学院医学研究院
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- 研究責任者
クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患は、免疫系の異常を伴う慢性的な難病です。再燃と寛解を繰り返すことで腸管の線維化が進行し、内科的治療として主として抗TNFα抗体剤、外科的治療として腸管切除手術が行われています。多くの患者が手術を必要とし、再手術率も高いため著しいQOLの低下をきたします。さらに、度重なる手術により短腸症候群を引き起こすことから、腸管線維化の予防と治療法の開発が望まれます。
腸管組織の線維化には、コラーゲンなどの細胞外マトリックスを産生する「間葉系細胞」が深く関与しています。これまで雑多な細胞集団として捉えられてきた間葉系細胞について、形態や機能的な分類が進み、「Telocyte」や「Trophocyte」という細胞が新たに報告されました。つまり、間葉系細胞の細分化が進むことで、腸管で重要な役割を担う細胞集団を新たに見出し、革新的な治療法の新たな確立の可能性が期待されます。
本研究では、当研究室が有するヒト、マウスの腸管間葉系細胞の機能の解析技術を用いて、さらにSpatio-temporal(時空間)解析による細胞間相互作用解析に取り組むことで、疾患治療を目指した腸管間葉系細胞の機能的変遷と相互作用の解明を進めていきます。