加齢関連疾患を対象としたポストiPSCの細胞治療技術の開発
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- 研究責任者
大日向 康秀 講師 / Yasuhide OHINATA
- 所属
千葉大学 大学院医学研究院
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- 研究責任者
我が国は、超高齢化の進行に伴う動脈硬化、糖尿病、骨粗鬆症、悪性腫瘍、晩婚化に伴う不妊症など、「加齢関連疾患」が大きな社会問題となっており、これらを解決し得る次世代型の細胞移植医療・幹細胞制御技術の開発が望まれています。iPS細胞は、分化細胞をリプログラミングにより多能性幹細胞へと初期化した画期的なものですが、細胞移植療法に用いるには目的細胞に再び分化させる必要があり、再現性良く、大量に細胞を調製する技術、胎児型から機能的な成熟細胞へ分化させる技術、胚体外系譜細胞の培養技術は未だ十分に確立していません。またiPSのリプログラミング技術は、抗老化の観点からも注目されており、部分的リプログラミングによって細胞・個体を若返らせられることが報告されていますが、その程度を精密に制御することは困難です。
そこで本研究は、チームメンバーが独自に有する、
i) 分化した細胞を、その系列の前駆細胞段階にまで精密に若返らせる技術
ii) 胎盤や卵黄嚢を派生する胚体外性幹細胞の培養技術
iii) 臓器の高次構造を備えたオルガノイドの作製技術を活用・相互連携することで、前述の“ポストiPS問題”を解決します。
具体的には
1)高品質な多系統細胞の大量培養
2)転写因子活性化による動物個体の若返り
3)胚体外性幹細胞移植による老化した初期胚の若返り
4)成体型高性能オルガノイドの作出
といった方法論を確立することで次世代型の細胞療法・若返り技術の社会実装を目指します。