10 G(10^10)スケールで切り拓く環境-炎症連関
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- 研究責任者
平原 潔 教授 / Kiyoshi HIRAHARA
- 所属
千葉大学 大学院医学研究
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ORCID ID
- 研究責任者
地球温暖化による世界規模での気候変動は、地球上で暮らすヒトの健康にも大きな影響を与え、様々な病気の原因となります。例えば、気道の慢性炎症疾患である気管支喘息の発症は、環境の変化に大きく依存しており、気候変動によって患者数が増えるとの報告があります。
本研究では、難治性アレルギー性気道炎症の病態形成の上流に位置する環境刺激が、気道上皮を介してどのように免疫細胞を活性化するかについて分子機構を明らかにすることで、現在根治的治療法がない気管支ぜんそくに対して、新規治療戦略の基盤を構築することを目的とします。
特に「気道上皮細胞の非常に希少な集団である肺神経内分泌細胞(pulmonary neuro-endocrine cells; PNECs)が、環境刺激に反応して好酸球を活性化する機構」を分子・細胞レベルから生体レベルまで解析し、新規治療戦略の分子基盤構築を目指します。
この目的を達成するため、慢性アレルギー性気道炎症の制御機構について分子・細胞・生体レベルで長年研究を行ってきた平原と膜タンパク質構造解析のスペシャリストである小笠原、臨床呼吸器内科学が専門でPhysician Scientistである鈴木がワンチームとなって、“環境-炎症連関”に関して分子・細胞・組織・個体レベルでの有機的な結び付きを形成することによって千葉大学発の「総合知」研究を推進します。具体的には、
- PNECsから分泌されるタンパク質と好酸球上の受容体との相互作用を明らかにします。
- 各種遺伝子改変マウスを用いて環境刺激、気道上皮細胞、免疫細胞の相互作用を解析します。
- ヒト(患者)組織で、最先端解析技術による検証(Proof of Concept:POC)を行います。