市民と共に学生が学び合う災害シチズンサイエンス教育プログラムの社会実装
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- 研究責任者
石橋 みゆき 准教授 / Miyuki ISHIBASHI
- 所属
千葉大学 大学院看護学研究院
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- 研究責任者
近年、自然災害は国内外で頻発しています。災害への備えや復興においては、災害の特徴に応じ備えの在り方も様々です。そのため、その地域で暮らす市民が主体となって取組むことが重要です。本研究の目的は、みまもりあいアプリ*を用いた、市民と共に学生が学び合う災害シチズンサイエンス教育プログラムの実証と普及により、災害につよい人とまちをつくる持続可能な社会システムを実装することです。社会実装研究は、研究、開発、実証、普及の段階を経るとされています。そこで本研究では、すでに開発したみまもりあいアプリを用いた教育プログラムを実装(実証、普及)します。
本研究で社会実装する教育プログラムは、みまもりあいアプリによって「防災まち歩き番組」と称したMR(複合現実)を、学生が市民と共に作成・共有する体験型ワークショップを中核とします。地域(市民)と大学(学生)が、みまもりあいアプリという共通のプラットフォームを保持し、時空を超えて関係性を構築・保持して、自然災害への備えについて共に学び合うことができます。
研究は3つの研究を組み合わせて推進します。まず、教育プログラムに関与する者(学生、市民、大学教員等)へのインパクトをインタビュー調査により明らかにします【A研究:実証】。並行し、学習成果物等の分析により、実証から普及の段階へ成果の受け渡しをするときに必要な基準(プロトコール)を、他大学での導入を支援するガイドとして作成します【B研究:プロトコール作成】。最終的に、A研究とB研究の成果をもとに、国内外の他大学において教育を展開、評価し、普及に向けた改善策を提案します。
*スマートフォンで利用する無料のアプリ。(みまもりあいプロジェクト https://mimamoriai.net/)GPS配信機能を活用し認知症高齢者や迷子の捜索依頼がスマホででき、このアプリを通して多世代でみまもりあいができる。また、地域限定音声配信機能もあるので、地域やグループに特化した音声付き情報配信と共有が可能。災害シチズンサイエンス教育プログラムでは、学生がまちを歩いて市民に話を聞いた音声情報をスマホの地図上にプロットし番組を作成する。だれでも、みまもりあいアプリでつながれば、番組を視聴しながら防災まち歩きができる。