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池田 英樹 特任助教

池田 英樹

池田 英樹 特任助教

/ Hideki IKEDA

Researchmap
  • 所属

    千葉大学 国際高等研究基幹 / 大学院医学研究院

  • 研究キーワード

    腫瘍微小環境、ミトコンドリア、代謝、腫瘍免疫、原発性肺癌

  • 所属学会情報

    日本癌学会、日本臨床腫瘍学会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本内科学会

研究テーマ

がん保有ミトコンドリアが織りなすがん免疫逃避機構の詳細解明

研究概要

がんは様々なメカニズムで腫瘍微小環境(TME)の代謝を調節し、自身を攻撃する腫瘍浸潤T細胞(TIL)などの免疫細胞の浸潤や活性化を妨げている。その新たな機序として、私はがんの異常なミトコンドリアがTIL内ヘと水平伝播し、TILの機能を抑制して抗腫瘍免疫応答を妨げていることを報告した(Ikeda H, et al. Nature 2025.)。がんはミトコンドリアが産生する活性酸素種(ROS)を利用して自身の生存に有利な環境を形成しているが、過剰なROSの産生はがんの成長には不都合となる報告もあり、ミトコンドリアが果たす多面的な役割を明らかにするには更なる研究が必要である。

私は呼吸器内科医として胸部悪性腫瘍の患者の治療にあたっているが、TMEの酸化ストレスが増大している胸部悪性腫瘍は、他のがん種とは異なる環境で代謝を適応させるため、ミトコンドリア量やROSの調整がより重要である可能性がある。こうしたTMEの特徴を踏まえ、ミトコンドリア機能に影響する直接的な因子を同定し、免疫療法を含む標準治療に対する耐性機序の解明をおこない、その制御に基づく革新的な治療開発につなげる。