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目黒 和行 助教

目黒 和行

目黒 和行 助教

/ Kazuyuki MEGURO

Researchmap
  • 所属

    千葉大学 国際高等研究基幹 / 医学部附属病院

  • 研究キーワード

    遺伝性免疫異常症、自己免疫疾患、免疫不全症、免疫学、臨床遺伝学

  • 所属学会情報

    日本内科学会、日本リウマチ学会、日本免疫学会、日本臨床免疫学会、日本アレルギー学会、日本免疫不全・自己炎症学会、日本人類遺伝学会

研究テーマ

免疫異常症患者の遺伝学的解析

研究概要

私たちは遺伝性免疫疾患の患者さんの全遺伝子配列解析により、ヒト正常免疫系や免疫疾患の病態生理の研究をおこなっています。これまで免疫系のしくみや免疫疾患の分子メカニズムに関する研究は近交系マウスを用いた研究が主流でした。この手法は大きな成功をおさめ、自然免疫系、獲得免疫系、免疫疾患のメカニズムについて多くの知見が得られており、現在でも強力な研究手段として利用されています。

一方で、
 ①ヒトと齧歯類における免疫系の違い
 ②疾患動物モデルと実際のヒト免疫疾患との乖離
など、免疫系を用いた研究に関する制約も明らかになってきました。
近年のDNAシークエンス技術の発達により、ヒトゲノムの網羅的解析が利用しやすくなってきております。一般に、免疫疾患は遺伝的要因と環境要因の相互作用によって発症すると考えられています。

しかし、それらの患者の中に遺伝的要因が強いと考えられる患者さんがおられます。
それらの方の特徴としては
 (1)早期発症である
 (2)重症である
 (3)非典型的な症状が出現したりして診断がつきにくい
 (4)免疫系以外の神経系、血液系に異常がみられたり、特徴的な顔貌などの多系統の異常がみられる
 (5)家族歴がある
などといった特徴があります。このような患者さんに協力してもらい、家系全員に対する全エクソーム配列解析(whole-exome sequencing:WES)を用いて原因遺伝子を同定し、その遺伝子の変化がどのようにして免疫疾患を発症させるのかを分子生物学、免疫学、動物モデルなどを駆使して解明します。つまり、WESは診断のみではなく病態生理の解明と新しい治療法の開発を含む臨床への応用を目標に行なっております。これまでにToll-like receptor7の遺伝子バリアントによる全身性エリテマトーデスを発症した患者さんに関する研究、この遺伝子バリアントを元にした新規ループスモデルマウスの樹立をはじめ、GATA2異常症、DKC1異常症などの多くの免疫希少疾患の同定と病態生理の解明に向けた基礎研究をおこなっています。