田村　真生 特任助教 (JSPS特別研究員-PD)

田村　真生 特任助教 (JSPS特別研究員-PD)
/ Maiki TAMURA

Researchmap

• 所属

  千葉大学　国際高等研究基幹 / 大学院薬学研究院

• 研究キーワード

  構造生物学、核磁気共鳴（NMR）、In-cell NMR、液液相分離

• 所属学会情報

  日本核磁気共鳴学会

研究テーマ

細胞内核磁気共鳴(In-cell NMR)法を用いた細胞内タンパク質の液液相分離(LLPS)機構の解明

研究概要

水と油の様に液体が二相に分かれる現象は液-液相分離（LLPS）と呼ばれています。近年私達の細胞内でも、このLLPS現象によりタンパク質や核酸分子が集合して液滴を形成することが報告され、LLPSが細胞機能の調節などに重要であると注目されています。さらに、多くの液滴形成タンパク質は液滴を介して神経変性疾患の原因と考えられる凝集体を形成することから、細胞内における液滴形成の制御機構の理解は神経変性疾患の治療につながります。

核磁気共鳴（NMR）法は溶液中にあるタンパク質の特定の原子核を解析することで、他の構造解析手法では得られないLLPS現象を形作る多様な分子間相互作用や分子の運動情報を取得できます。さらに当グループでは、安定同位体標識された目的タンパク質を細胞に導入し、細胞内環境下で目的タンパク質の構造情報を選択的に観測する細胞内核磁気共鳴(in-cell NMR)法を開発してきました。本研究は、液滴形成タンパク質のin-cell NMR解析に取り組み、細胞内での液滴形成の制御機構と神経変性疾患の発症機構解明に挑戦します。