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所属
千葉大学 国際高等研究基幹 / 大学院理学研究院
研究キーワード
進化ゲノミクス、ゲノムワイド関連解析、集団行動、多様性効果、ショウジョウバエ
所属学会情報
日本進化学会、日本生態学会
研究テーマ
個と集団の進化行動ゲノミクス
研究概要
ヒトを含めた動物は、種によって、また個体によって、さまざまな行動を示します。種内における行動多様性は個性や性格とも捉えられ、非常に身近な存在である一方で、ヒトにおいては精神疾患などとの関連性も指摘されており、その遺伝的な背景は長年研究の的となってきました。近年のゲノム解析手法の発展と普及により、生物の行動を制御する新たな遺伝子や遺伝的変異が次々と明らかになっています。
他方で、個体の持つ行動特性は固定的なものではなく、他個体の存在や行動に影響を受けながら流動的に変化します。動物の集団ではしばしば、統率の取れた集団行動や社会的分業など、集団レベルで初めて観察される創発的な特性が見られますが、個体の行動多様性がそうした集団のふるまいにどのように影響するかは不明です。本研究では、ショウジョウバエの個体間相互作用に焦点を当てた集団行動実験やゲノム解析から、動物の集団性がいかに進化してきたのか、その分子メカニズムと生態学的な機能に迫ります。