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所属
千葉大学 国際高等研究基幹 / 医学部附属病院
研究キーワード
気道上皮細胞、エピジェネティクス
所属学会情報
日本内科学会、日本リウマチ学会、日本アレルギー学会、日本免疫学会
研究テーマ
気道上皮細胞のエピジェネティック変化を標的とした新規気道炎症制御法の確立
研究概要
気管支喘息(以下、ぜんそく)は病態が安定していても、気道での感染症を契機に急激に悪化することがあります。一方、ぜんそくは気道感染症にかかるリスクを高くし、また重症化の原因ともなりえます。このぜんそくと気道感染症が相互に悪化し合うメカニズムは、ぜんそくの治療が難しい原因とも考えられており、古くから多くの研究が行われています。
近年、ぜんそく患者の気道上皮細胞は、健康な人の細胞よりウイルスに感染することが遅くなることが示されました。一方、皮膚では上皮幹細胞がエピジェネティック変化*を介して過去の炎症を記憶することで、その後の反応性を変化させることが報告されています。
そこで本研究では、「アレルギー性炎症による気道上皮細胞のエピジェネティック変化を介した炎症記憶がその後の気道炎症の強度に影響する。」との仮説のもと、アレルギー性気道炎症に起因する気道上皮細胞の炎症記憶の分子メカニズムを包括的に解析し、気道炎症重症化の抑制戦略の基礎を築くことを目指します。
*細胞のエピジェネティック変化: 細胞の遺伝情報（DNA）自体は変化しないが、細胞内外の環境や生活習慣の変化などによって遺伝子のスイッチのオン・オフが変化して、遺伝子の発現量や細胞の機能が変化すること。エピジェネティック変化は、細胞の分化や発生、病気の発症などにも関連する。