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Maximilian MEIER 特任助教
Researchmap
/ マキシミリアン・マイヤー所属
千葉大学 国際高等研究基幹 / ハドロン宇宙国際研究センター
研究キーワード
宇宙タウニュートリノ、GZKニュートリノ、アイスキューブ、機械学
所属学会情報
IceCube コラボレーション、ドイツ物理学会 (DPG)、JPS
研究テーマ
高エネルギーニュートリノ天文学
研究概要
宇宙線物理学の重要な反応のひとつとして、超高エネルギーの宇宙線と宇宙マイクロ波背景放射光子との共鳴相互作用があげられます。 この反応によって生成されるニュートリノは「GZKニュートリノ」と呼ばれ、非常に大きいエネルギーであることが予想されています。 自然な仮定のみでその存在を予想することができるものの、その実験的観測は成功していません。 私の所属する千葉大学のグループは国際共同実験IceCube に参加し、このフラックスの測定に関して長年研究を推進してきました。
その中で、私は世界初のGZKニュートリノの検出を目指し、3つの観点から研究を行っています。 1つ目は、超高エネルギーを持つニュートリノを事象選別する手法を改善することです。 大気で作られたミュオンが束になってIceCube検出器に入射する事象が主な「背景事象」となるのですが、その寄与を効率的に除去する手法を開発し、GZKニュートリノの探索感度の向上を目指しています。
IceCubeが目指す次の段階として、「IceCubeアップグレード計画」があります。 新型の検出器を密に配置することで、低エネルギーニュートリノの感度向上を狙っています。さらに南極の氷の特性理解を深め、解析に伴う系統誤差を削減することも目的としています。
これまで私は千葉大学で開発した検出器D-Eggの性能を評価するシステム構築を行ってきました。 現在は、南極大陸へ送られる300台のD-Eggの全数検査を進めています。 IceCubeアップグレード計画後は、次世代ニュートリノ望遠鏡計画「IceCube-Gen2(ジェンツー)」が予定されています。 IceCubeの検出体積を8倍に向上する壮大な計画です。 私は、IceCube-Gen2のシミュレーションを行い、期待される感度の評価を行っています。 大きくなる検出器の性能を最大限有効利用できるよう解析手法を改善することで、GZKニュートリノの検出感度は約1桁向上する見込みです。